子供のポカン口が
なかなか治らない…
お子様がテレビを見たりゲームをしたりしている時、口は開いていませんか。若い頃は愛らしいものですが、成長するにつれて印象が悪くなる可能性があります。
さらに重要なのは、この習慣が歯並びに悪影響を及ぼし、舌癖や口呼吸の問題を引き起こすことです。
子供のポカン口って
いつから始まる?
赤ちゃんはしばしば口を閉じて、鼻呼吸をしている姿が見られます。未発達な唇がポッテリとしていても、自然と鼻呼吸をしていることが多いのです。
しかし、子供が成長し、歯が生え、言葉を話すようになると、口を開ける機会が増え、それに伴って口呼吸をすることも多くなります。特に、食べ物を噛んだり、おしゃべりを楽しんだりすることが多くなるにつれて、口呼吸の習慣が身についてしまうことがあります。この変化は、歯が生え始め、言葉を覚える年頃から徐々に始まります。口呼吸が増えるこの時期は、顎の発育や歯並びにも影響を及ぼすため、注意が必要です。子どもの口呼吸の習慣は、見た目の問題だけでなく、健康や発達にも重要な意味を持つため、親御さんとしてはその癖に早期に気づき、適切な対応を考えることが求められます。
ポカン口の原因とは?
ポカン口は、舌や口周りの筋力の低下、口呼吸、慢性鼻炎、アレルギー症状などが原因で起こります。これらの要因が、口を閉じる機能に影響を与え、口唇閉鎖不全症を引き起こす可能性があるため、これらの症状に該当するかどうかを確認し、必要に応じて対策を講じることが重要です。
歯並びや噛み合わせに
問題がある
歯並びや噛み合わせの問題によって、ポカン口が発生することがあります。特に前歯上下の隙間や出っ歯などの不正咬合は、唇が閉じにくくなる要因です。このような場合は、歯列矯正などの適切な治療を検討することが推奨されます。
アレルギーや鼻炎による
鼻づまり
アレルギーや慢性鼻炎による鼻詰まりは、口呼吸を引き起こし、ポカン口の原因となることがあります。このため、アレルギーや鼻炎の治療は、口唇閉鎖不全症の改善にも寄与します。
口呼吸の癖
口呼吸が習慣になると、唇が閉じずに常に開いた状態になります。これは食事の習慣だけでなく、扁桃腺肥大や歯並びの問題が原因であることも考えられます。
口や舌の筋力不足
舌の筋力が低下すると、舌の位置が不適切になります。これを「舌癖」と呼びます。
舌癖は、ポカン口や歯並びの問題を引き起こす原因となります。正しい舌の位置は上顎に密着し、舌先がわずかに歯に触れる状態です。また、口周りの筋力不足もポカン口に繋がり、唇を閉じる力が弱くなります。口周りの筋力はトレーニングによって改善可能です。
生まれつき舌が短い
舌小帯短縮症は、舌の動きを制限する粘膜の状態です。これにより、ポカン口を引き起こしたり誤った舌の位置が癖になったりします。
軽度の場合はトレーニングで改善可能ですが、重度の場合は手術が必要になるかもしれません。
ポカン口を放っておくデメリット
ポカン口になっている子供は、以下のような健康上の問題に直面するリスクが高まります。
これらのトラブルは、口を閉じて鼻呼吸することができる子どもに比べて、ポカン口の子供の方が目立って現れる傾向にあります。
口臭がきつくなる
唾液の減少による口内の乾燥は、食後の細菌活動を活発にし、口臭の原因となります。新型コロナウイルス感染症の流行により、マスクを着用することが一般的になった現在、口臭に対する自覚は高まっています。
虫歯や歯周病のリスクが
高くなる
乳歯はエナメル質が柔らかいため、虫歯の進行が速いです。初期の虫歯(白い歯が若干透明感を損なわれている状態)は唾液によって修復される可能性がありますが、口呼吸の習慣がある子供は口が乾燥しやすく、再石灰化が妨げられます。
唾液の減少は虫歯の進行を加速させ、痛みを伴う深刻な状態に至ることがあります。そのため、口呼吸の子どもは虫歯になりやすいのです。
病気にかかりやすくなる
鼻呼吸は、空気中のウイルスを鼻のフィルター機能で除去し、清浄な空気を体内に取り込む役割を果たします。一方で、ポカン口になって口呼吸が癖になっていると、このフィルター機能が働かず、ウイルスを直接吸い込むため、風邪を引きやすくなるとされています。
見た目に影響する
(アデノイド顔貌)
成長期に口呼吸が続くと、顔の筋肉や顎骨が十分に発達せず、特有の顔貌「アデノイド顔貌」を引き起こす可能性があります。この状態は以下の特徴を持ちます。
- ロングフェイス:顔が長く、鼻が上向き(アップノーズ)
- 逆三角形の顔形:下顎が小さい
- 口ゴボ:出っ歯で口元が前方に突出している
- 乾燥した唇:ぶ厚くて乾燥している
- 二重顎:顎と首の境目が不明瞭で、下顎が小さく後退している
子供のポカン口の直し方
ここでは治療方法について解説します。治療方法は原因に応じて異なります。
歯科での治療(矯正)
出っ歯や受け口などの問題で口が閉じにくい場合は、歯科矯正が有効です。
当院では、お子様のライフスタイルに合わせた最適な矯正方法を提案します。歯並びに関するお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
耳鼻科での治療
慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎によって口呼吸が習慣になっている場合、まずは歯科ではなく耳鼻咽喉科へ受診しましょう。
おうちでのトレーニング
(口や舌の筋力を鍛える)
舌癖や口が開いた状態が続く場合、口周りの筋肉や舌の筋力不足が原因である可能性があります。これを改善するためには、口腔筋機能療法(MFT)が有効です。簡単に実践できるMFTの一つに、『あいうべ体操』があります。この体操は、以下の動作を繰り返すことで口周りの筋肉を鍛え、正しい舌の位置を学ぶことができます。
あいうべ体操
あいうべ体操は、以下のシンプルな動作を繰り返すことで、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。
- 「あー」:口を大きく開けます。
- 「いー」:口を横に大きく広げます。
- 「うー」:口を強く前に突き出します。
- 「ベー」:舌を下に向かって突き出します。
これらの動作を1セットとし、1日に30セットを目標に継続することが推奨されます。