- 顎を広げる矯正装置
「拡大装置(床矯正)」とは - 何歳までできる?
拡大装置(床矯正)の対象年齢とは - 拡大装置(床矯正)のメリット・デメリット
- 拡大装置(床矯正)の治療の流れ
- 1日何時間つけておくべき?
拡大装置(床矯正)の使い方とルール - 拡大装置(床矯正)治療の値段について
顎を広げる矯正装置
「拡大装置(床矯正)」とは
床矯正は、入れ歯のような床部分を持つ矯正装置を使用し、プラスチック製(レジン)の床にネジやワイヤーを組み込んで上下顎を拡大して、歯並びを整える治療法です。
拡大装置(床矯正)の
機能と効果
床矯正は、顎の骨の幅を拡大させるために使用されるものです。特に、上顎が狭い場合には、叢生や出っ歯などの不正咬合を改善し、骨の横幅を拡げて歯並びの問題を解決します。
床矯正とは異なりますが、固定式の拡大装置として、緩徐拡大装置や急速拡大装置などの装置を使って骨を広げ、歯列の不均一を改善することも行っています。
拡大装置(床矯正)に
向いていない症例
床矯正は、以下のような状況では適用できないことがあります。
- 歯並びの微調整
- 歯の根元からの大幅な移動
- 重度の歯列不正の修正
床矯正は顎の骨の幅を広げることに特化しており、マウスピース矯正、ワイヤー矯正のような細かな歯並びの調整や、歯の根元からの大きな移動、また重度の歯列不正の矯正には適していません。
何歳までできる?
拡大装置(床矯正)の
対象年齢とは
床矯正は、6歳~11歳の成長期にある子供の歯並びを改善するための治療法です。通常の矯正治療が歯を動かすのに対し、床矯正は子供の成長に合わせて徐々に歯列の幅を拡げ、骨の成長が完了する前に自然な歯並びへと導きます。
拡大装置(床矯正)は、治療を始めるタイミングが大切
床矯正は子供の成長期に顎の骨を広げる治療です。乳歯から永久歯へ生え変わった後や、骨の成長が止まった後には開始できません。
5〜6歳から治療を始めることもありますが、一般的には小学校低学年が治療開始に最適な時期です。
拡大装置(床矯正)の
メリット・デメリット
メリット
取り外し可能で、食事や歯磨きがしやすい
床矯正装置は取り外しが可能で、食事や歯磨きの際には外して使用できるため、日常生活における不便さを軽減し、口腔衛生を維持しやすくなっています。取り外し不可能な装置と比べて虫歯リスクが低いという利点もあります。この取り外しの利便性は、床矯正の大きな特長です。
抜歯せずに歯並び矯正ができる可能性が広がる
床矯正は、抜歯を避けて顎のスペースを広げ、永久歯が整然と生えるのを助ける治療法です。この方法により、永久歯を保ちながら歯並びを改善することが可能です。
さらに、床矯正後に必要な2期治療でも、抜歯を避ける可能性が高まるため、床矯正は有効な前処置となります。
治療の痛みが少ない
床矯正は、顎に徐々に力を加えることで、痛みを最小限に抑えながら顎の成長に合わせて歯並びを整える治療法です。これにより、一般的な矯正治療に比べて子供が感じる不快感を軽減できます。
一般的な2期矯正より治療費が安い
床矯正は、小児期から矯正治療を行うことができるため、治療が複雑になることが少なく、一般的な矯正治療に比べてコストを抑えることができます。
デメリット
装着時間を守らない場合は
効果が出ない
床矯正装置は子供が自分で取り外し可能ですが、治療の効果を得るためには指定された時間内での着用が必要です。食事や歯磨き時以外は装置を外さないようにし、親御さんが装着時間を守るよう管理することが重要です。
装着時に違和感・しゃべりにくさを感じることがある
装着し初めた段階では違和感を覚えるかもしれませんが、その感覚は通常、1~2週間で慣れます。装置の大きさや形状による発音の問題も一時的なものですので、心配しすぎずにお子様をサポートしてあげてください。
治療後に後戻りする
可能性がある
矯正治療後の「後戻り」は、治療で動かした歯が元の位置に戻る現象です。矯正直後の歯並びは不安定で、日常の習慣が原因で元に戻ることも珍しくありません。床矯正後も、歯並びを維持するためには「リテーナー」と呼ばれる装置を使用する保定期間が必要です。
拡大装置(床矯正)の
治療の流れ
1診察(カウンセリング)
歯並びや生活習慣などに関するお悩みをお伺いし、その内容を治療計画に反映させます。
2検査
口内の状態をチェックし、写真撮影、姿勢分析、噛む力の測定、歯型取り、レントゲン撮影を行います。検査結果は分析後、ご報告します。
3装置の作成
検査データに基づき、患者様一人ひとりに合わせた矯正装置を製作します。
4治療開始
装置を口内に装着します。1日14時間以上の使用をお願いしています。
5定期検査(メンテナンス)
一ヵ月に1回のペースで装置の調整と口内のメンテナンスを行い、矯正の進行状況をチェックし、虫歯予防に努めます。
6後戻りしないよう保定
矯正によって広がった歯並びが元に戻らないよう、保定装置を使用します。
1日何時間つけておくべき?
拡大装置(床矯正)の
使い方とルール
拡大装置(床矯正)の
装置の使い方
装置にはスクリューが取り付けられており、ネジを回して徐々に拡大することで、子供の成長に合わせて顎の骨を広げ、永久歯が整然と並ぶためのスペースを作り出します。
1日14時間以上
装着しましょう
床矯正装置の効果を最大限に引き出すためには、1日に14時間以上の着用が推奨されます。歯は元の位置に戻ろうとする力があるため、12時間以上装置を外してしまうと、歯が移動し、装置が適切にフィットしなくなるリスクがあります。これにより、治療が停滞したり、装置が損傷したりする恐れがあるため、着用時間の管理が重要です。
そのため、親御さんは、子供がストレスなく装置を着けられるようスケジュールを調整することが大切です。
拡大装置(床矯正)を
付ける時の例
- 自宅でリラックスしている時
- 宿題を行っている時
- お風呂の前
- 就寝時
拡大装置(床矯正)を
外す時の例
- 食事中
- 歯磨き時
- 学校や趣味の活動中
- 家族で外出する時
拡大装置(床矯正)の
治療期間
床矯正の治療期間は通常2~3年ですが、お子様の歯や顎の発達状況、年齢、治療開始時期によって異なり、また装置の着用時間によっても影響を受けます。
治療の進行には定期的な歯科医院での診察が必要で、治療期間と着用時間を考慮して、床矯正を選択しましょう。
拡大装置(床矯正)治療の
値段について
内容 | 値段 |
---|---|
精密検査・診断料 | 33,000円 |
管理料(月1回) | 1,650円 |
値段 | 治療期間 | |
拡大装置(床矯正) | 330,000円 | 6歳臼歯が生えて、永久歯に生え変わるまで |
※税込み価格です