子供のすきっ歯
(空隙歯列)とは
すきっ歯、または空隙歯列(くうげきしれつ)は、歯と歯の間に隙間がある状態です。子供の成長過程で一時的に生じる「発育空隙(はついくくうげき)」や、先天的・後天的な要因によるものがあります。
発育空隙は、乳歯が生えそろった後に顎が成長することで起こる隙間で、永久歯が生え揃うにつれて自然に閉じます。
すきっ歯の原因には、歯の本数が少ない、歯が小さい、過剰歯、または上唇小帯の異常などがあり、これらは歯並びに影響を与えるため、適切な診断と治療が必要です。お子様のすきっ歯でお悩みの際は、歯科医院へ相談しましょう。
永久歯のためのスペース
「発育空隙」とは
発育空隙は、乳歯から永久歯へ移行する際に、顎骨が成長することによって一時的に生じる、歯列の隙間です。通常は、永久歯が生え揃ったタイミングで消失します。
また、子供の歯列には霊長空隙とリーウェイスペースも存在し、霊長空隙は上顎の糸切り歯である犬歯の前後に、リーウェイスペースは乳歯と永久歯のサイズ差によって生じます。
これらの歯の隙間は、永久歯のスムーズな生え替わりのための重要なスペースとなります。
子供のすきっ歯は
いつまで大丈夫?
乳歯から永久歯への生え変わり期、特に6~7歳頃にはすきっ歯がよく見られますが、この時期のすきっ歯は永久歯の成長に伴って自然に閉じることが多いです。そのため、すぐに治療しなくても済むケースもあります。
ただし、過剰歯や欠損歯、悪癖によって生じたすきっ歯や、隙間が特に大きい場合は、永久歯が全て生え揃った後の歯並びを考慮した矯正治療が必要になります。見た目の問題や隙間の広さが気になる場合は、原因を見つけ出し、適切な治療計画を立てることが重要です。子供の歯並びが心配な際は、早めに専門家に相談することをお勧めします。
乳歯のすきっ歯:4~6歳
赤ちゃんや、永久歯が生えたばかりの子供の多くはすきっ歯です。保護者の方の中には「うちの子、すきっ歯なのかな?」と心配される方もいいらっしゃるかもしれませんが、乳歯期のすきっ歯は自然現象で、永久歯が生えるための必要なスペースでもあります。むしろ、この年齢で乳歯がみっちりと密接と並んでいると、乳歯よりも大きい永久歯が生えてくる時にスペースが足りなくなり、歯と歯が押し合って歯並びが乱れるリスクがあります。そのため、乳歯のすきっ歯は通常、治療を必要とせず、永久歯の成長とともに自然に閉じることが期待されます。
混合歯列(生え変わりの時期)のすきっ歯:8~10歳
混合歯列期の間、上の永久前歯はしばしばすきっ歯になりますが、これは決して珍しくありません。この時期は永久歯と乳歯が混在するため、永久歯が整然と並ぶための必要なスペースが自然とできるのです。この隙間は、隣接する歯や犬歯が萌出すると、自然と埋まることが多いです。
しかし、あまりにも隙間が空いている場合は、何らかの症例が疑われ、その場合は矯正治療を検討することが重要です。この時期のすきっ歯は、永久歯の健全な成長のための自然な過程であることを理解し、適切な対応を行うことが求められます。
矯正が必要になるすきっ歯については、以下で紹介します。
矯正(治療)が必要な子供の
すきっ歯について
永久歯が完全に生え揃った後にすきっ歯が残る場合、以下のような原因が考えられます。
- 生まれつき永久歯が小さい
- 永久歯の本数が少ない
- 歯の小ささに対して顎が大きい
すきっ歯は、ワイヤーやマウスピースによる矯正治療が有効です。原因としては顎の発育不全や悪癖などがあり、これらは定期検診で早く発見できます。
混合歯列期にはすきっ歯が生じることが多く、完全に永久歯が生え揃うことで隙間が埋まるケースもあります。ただし、中央の歯に3mm以上の隙間がある場合や、犬歯の萌出後にも隙間が残る場合は、矯正治療が必要です。
子供がすきっ歯になる原因
乳歯のすきっ歯は通常問題ありませんが、永久歯への生え変わり時に隙間がないと、歯並びが乱れる恐れがあります。また、混合歯列期のすきっ歯も多くの場合一時的なもので、永久歯の成長により、自然に改善されます。
ただし、すきっ歯が永久歯に生え変わっても続く場合は、先天的または後天的な要因が原因であり、矯正治療が推奨されます。
上唇小帯の影響
小帯(しょうたい)は、唇と歯茎を結ぶ細い組織です。歯の根元まで伸びると前歯に隙間を生じさせ、「正中離開」を引き起こします。この隙間を修正するには、手術で小帯の位置を調整する必要があります。
口呼吸
鼻呼吸は口周りの筋肉バランスを整え、顎の成長を促進するために重要です。口を閉じて舌が上顎に位置することで、顎に適切な圧力がかかります。
一方、口呼吸は口が常に開いてしまうため、舌による圧力が歯にかかり、出っ歯やすきっ歯を起こしやすくなります。
指しゃぶり・指吸いなどの癖
指しゃぶりは幼児期によくあることですが、癖になるとすきっ歯を招くこともあります。
3歳頃には指しゃぶりを減らす努力を始めることが推奨されますが、無理にやめさせるとストレスによる他の問題が生じる可能性があります。実際に指しゃぶりは、気持ちをリラックスさせるために行われる癖です。徐々に頻度を減らすことが大切で、お子さんのペースに合わせて指しゃぶりをやめるように促しましょう。
顎の大きさと歯の大きさの
アンバランス
骨格の遺伝的要素によって顎が歯に対して大きくなりすぎると、すきっ歯が生じることがあります。この場合は矯正治療が必要です。
埋もれている歯がある
過剰歯とは、通常より多くの歯が存在する状態です。過剰歯が顎の骨に埋まっている場合、隣の歯を押し広げてすきっ歯を引き起こすことがあります。
歯の本数が少ない
乳歯は通常20本、永久歯は28本(親知らずを含めると32本)生えます。ただし、歯の本数が基準よりも少ない「先天性欠如」もあります。この場合、歯の本数が少ない故に隙間が生じることですきっ歯になります。すきっ歯の10~20%は、この先天性欠如によるものです。すきっ歯だけでなく、虫歯や歯周病のリスクにも注意が必要です。
子供のすきっ歯を放置すると…
すきっ歯は下記のように、健康にも見た目にも悪影響を及ぼします。
活舌が悪くなる
すきっ歯は発音に影響を与え、特に「サ」行の発音に支障をきたします。それにより、コミュニケーションがスムーズにできないといったトラブルを起こしやすくなります。
将来、見た目に影響する
すきっ歯は時間とともに目立つようになります。そのため、コンプレックスと感じる方も少なくありません。
虫歯や歯周病が
できやすくなる
食べかすが溜まりやすく、適切なケアが困難になるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
すきっ歯(空隙歯列)の治療法
まずは原因の特定から始めます。成長空隙なら経過観察を、埋伏歯や過剰歯が原因なら外科処置後に矯正を行います。
Ⅰ期治療での改善が難しい場合は成人矯正へと移行し、歯を適切な位置に動かして隙間を埋めます。すきっ歯のほとんどは小児矯正で改善可能ですが、気になる場合は早めに相談しましょう。